Jan 23rd, 2017

様々な試験を利用して多面的に英語力を上げる – Cambridge 英検 CPE –


少し前に英検1級を取るまでの勉強方法について書きましたが、今日はその後日談です。

 

英検1級を優秀賞をいただいて合格したことは、私に「やればできる」という達成感を与えてくれましたが、合格前に私がナイーブにも思っていた「1級に合格したら違う地平線が見えるかも」という甘い見通しは全くの見当違いであったことがわかりました。相変わらずあれも出来ないし、これも出来ない。何も変わらなかった。。。。それはそうですよね。試験に受かる前と受かった後なんて1日やそこらで何かが劇的に変わるわけがありません。ただ自分は永遠のように続く学びの線上にいるんだな、と思ったのを覚えています。

1級に受かって「何もできない」と言うと嫌味に聞こえるひともいるかもしれませんが、何事もそうであるように、ひとつの道は進めば進むほど自分のことがわかり、至らないことばかりが見えてくるものです。ですから謙遜でも何でもなく、年々自分の勉強を進めれば進めるほど自分の出来なさにがっくりするわけです。そのようなわけで、ますます自分は全く何も出来ないということがわかった私は、「じゃあどうせなら最難関の外部試験を目指そう!」とケンブリッジ英検CPEの受験を決めました。ケンブリッジ英検にはKET/PET/ FCE/ CAE/ CPEと5段階のレベルがあり、CPEが一番上でCEFRのC2になります。

 

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↑ 手で書かないと覚えない私。英検に引き続きCPEでもひたすら書きまくっていた当時のノート。

ケンブリッジ英検CPE (Certificate of Proficiency in English) が一般人が受験できる英語の試験では世界最難関、ということに異論のある方は少ないかと思います。ケンブリッジ英検は詳細としてスコアも出ますが、結果は合格か不合格かの資格試験です。ヨーロッパ圏、そしてその植民地であった国々では最も人気のある英語の試験です。ネット上でTOEICやTOEFLなどとのスコア換算表が出ていますが、試験の内容が全く異なるので、およそ横並びで比較すること自体が無理だと思います。CPEは合格すれば生涯使える資格で、ヨーロッパで就活をしたいと考えている人は、この資格を持っていれば語学(英語)面ではフリーパスになる企業、大学(当然ですがケンブリッジ大学も)が多いです。

CPEは筆記(選択肢ではなく、本当に書き込まなくてはならない問題も多いです)とリスニングのみで4時間(私が受験した当時はコンピューターベースは無く、6時間だった記憶です。そもそもは13時間のテストでした。)、そして私が受験した当時はスピーキングはさらに別の受験日でした。スピーキングは面白いことに受験者2名と試験官1人の3人でかなりインタラクティブに突っ込んだ内容のスピーキングテストが行われます。試験官とのやり取りのみでなく、チームとなったもう一人の受験者とどれほど協力してゴールを目指せるかも見られます。とても長い試験時間をかけてテストされますが、そのテスト内容が素晴らしく、私はこのテストの受験準備を通して本当に多くのことを学びました。どのような内容の試験かは説明するのが大変ですので、以下のようなサイトを参考にしてください。Flo-JoeはCambridge CPEの学習サイトで、多くの受験者が利用しています。私もこちらにかなりお世話になりました。

Cambridge CPE  公式ウェブサイト

学習サポートサイト Flo-Joe

↓ こちらは使い倒したテキストたち

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受験すると決めたとはいえ、英検1級からCPE合格まではかなり距離があるため、私はCPEを受験できる体力(英語力?)を養うためにまずは同じCambridgeの試験でスコア形式のIELTSを準備として受けることにしました。同じテスティング機関の試験なので傾向も似ていましたから試験準備は楽しかったです。2004年に英検1級に合格してから、2008年にCPEに合格するまでの4年間、NHK国際研修室のニュースライティングと同通のクラスに通いながらCPE受験の準備をするとともに、その当時東京にあったコロンビア大学のティーチャーズカレッジに入学することも決めたので、その入学条件を満たすためにTOEFL iBT またはIELTS のスコア提出が必要だったのも動機づけになりました。IELTS 8.0が取れた時点(TOEFL iBTは109でした)でCPEの受験を申し込みました。時間はかかるし受験料は高いし、当時は半年に一度くらいしか受験の機会もなかったので、一発合格できると思えるまで受験しませんでした。

2008年12月の試験で無事にCPEに合格しましたが、Grade Bでの合格を目指していたのにGrade Cでの合格でした。これにはかなりがっかりしてしまいました。それ以来私の中ではいつか再受験してGrade B(またはAですが厳しそう。。。)以上を取りたいという夢があります。私はそれ以来、自分のためや生徒さんのために様々な英語の試験を受験したり、試験準備を教えたりしましたが、CPEほど面白い試験を未だに知りません。日本でももっと評価が高くてもよいのに、と残念です。CPEの準備過程で養ったさまざまな学習スキルは今も自分のティーチングに生かしています。

これを書きながら久しぶりに「悔しいGrade Cの合格証」を眺め、合格から10年の来年にはより高いGradeでの再合格を目指そうと心に決めました。

2003年に英語のやり直しを始めて以来、ずっと日本国内で自己学習してきましたが、外部試験を上手に使うことでさまざまな能力を伸ばすことができたと思います。試験はそれぞれ試される内容が異なります。様々な試験の準備を通して多面的な語学力を養うことができます。学習者のみなさんだけでなく、教員のみなさんもご自身の力を伸ばすためにもっと外部試験を利用されると良いと思います、というのが私がいつもお薦めしていることです。

最後に2017年2月18日、25日、3月4日の土曜日3回でTOEIC Speaking and Writingを使ったアウトプット力強化の講座を拙著(TOEIC テスト スピーキング/ ライティング総合対策 旺文社)を使って行います。講座をお申し込みの方にはこちらの本がテキストとして配布されます。

中央大学ビジネススクールの公開講座です。ご興味のある方、試験準備を通してご自身の英語力を伸ばしたい方、お待ちしていますね!

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