Beyond native speakers (4) : 発音矯正を受けることにしました


最高の発音トレーナー Prof. Geoff Lindsey
イギリスから戻って2週間以上が経とうとしています。ロンドン大学でのSCEP (Summer Course in English Phonetics) の授業を思い出して一番心に残っているのが素晴らしい講師陣の皆さんのことです。素晴らしい先生ばかりだったのでどなたのお話をしようか迷いますが、「トレーニング」の面で一番刺激になったのがGeoff Lindsey 教授の実践レッスンのクラスでした。このクラスは毎日午後12時過ぎからの40分程度のクラスだったのですが、耳から聴く⇒ 発音記号に書き取る⇒ 答え合わせをする⇒ 自分の間違った所をなぜ間違えたのか徹底的にGeoffに質問し、話し合う、というユニークなものでした。聞こえてくるものは意味の無い’nonsense word’ でしたので、top down listening (自分の知識を使って聴き取ること)は全く通用せず、本当にGeoffの口から聞こえて来る音だけを頼りに発音記号に直す訓練でした。これをすることで「自分はどの音、音声変化に弱いのか」というのが一目瞭然でしたし、最初は「無理〜〜!!!」と思っていた事が時間と共にだんだん出来るようになっていきました。最後のほうではかなりの確率でnonsense wordsを発音記号にできるようになっていたので本当に嬉しかったです。
Geoffは受講生達の間でも話題になるほど知識が深く、ティーチング力、デモンストレーション力に秀でた先生でした。私たちのグループは全員かなりベテランの教師でしたが、「Geoffのトレーニングは分りやすいね!」と皆口を揃えて言っていました。私たちが音と記号の間で迷う時、必ず彼は「僕の口を見て」と言います。Geoffの知識と経験と理論に裏付けされ自信に溢れたティーチングは思わず「ついて行きます!!」と言いたくなるほど魅力的でした。私も教える立場なのでGeoffのように迷いの無いティーチングが出来るように日々努力していこうと思います。
。。。で終わりそうなブログですが、ここからが本題です
Accent Coaching 受講
ご自分の発音を良くしたい、と思われた方は少なくないと思います。私もそんな一人です。私の英語はネイティブライクではないですし、ましてやAmericanでもなくBritishでもなく特にJapaneseというわけでもなく。。。。じゃあ何なんだ、といえば自分の長年の英語経験の様々なミックスなのだろうと思います。あまり自分の英語を客観的に聞いた事がないのですが、英語が母国語の友人には「う〜ん、ニュートラル?ややアメリカン??」と言われる事が多いです。そんな何ともつかない英語を喋りつつ特に不自由があるというわけでもないので今まで放置してきました。スピーチ矯正にはずっと以前から興味があり、映画などのために俳優さんが発音を変えたというようなニュースを見かけると興味津々です。「私もいつか受けてみたい」と思っていたのですが,今回Geoffの指導を受けて「この先生しかいない!!」と意を決し、彼に発音矯正 (Accent Coaching) をお願いする事にしました!!
ドキドキでお願いしたのですが、「Skypeでね!」と快く受けて下さり
もはや死ぬほど楽しみです。。。
「ではStandard Britishでお願いします」。。。 とついに言ってしまった。。。
ということで近々レッスンをスタートします!!
当然ですが Before and After を残しておきたいのでこちらのブログでも音声アップしていこうと思います。
ああ、自分がどんな風に変われるのか(それとも変われないのか??)今からめっちゃ楽しみです!!
Geoffからもらったメールに書いてあった事、確かに。。。これが私が乗り越えなきゃならない部分ですね。
“A big challenge for the higher-level English user is to integrate accent modifications into their regular English usage. I think small amounts of regular practice are beneficial, as pronunciation change is about habit modification rather than learning.”
一言でいえば「習うより慣れろ」っていうことですね。確かに日常的にレッスンで英語を話している私にとって「新しく入れた」発音を自分のいつもの発話の中に取り入れて行く事こそがチャレンジなのかもしれません。
もちろんもう大人ですから、完璧にネイティブライクになることはできません。でも努力したらどこまで近づけるのか?というのは自ら人体実験で試してみたかったことですのでワクワクです。
「どんな風に英語を話す人になりたいですか?」というのはいつもレッスンを始める前に私が生徒さんに聞く質問です。生徒さんによって様々な答えがあります。それがいいんですね。TESOLではLearner Identity 「第二言語としての英語学習者のアイデンティティ」として注目されている分野のひとつです。
「なりたい自分になる」ってどんなことに取り組む場合も大事ではないでしょうか。
自分が努力して変われたら生徒さんにも「できますよ」ってもっと自信を持って言えそうです。
著者について

浅場 眞紀子
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