若返りの方法

更新日 : 2019年1月16日

あけましておめでとうございます。1月はスポーツジムが最も混み合う時期ですが、皆さんの新年の抱負(New year resolution)には運動が含まれているでしょうか? もしそうなら、このブログは役にたつかもしれません。今回は、ある種の運動を続けると、痩身(weight loss)や老化防止(anti-aging)だけではなく、分子レベルで若返ること(rejuvenating in molecular levels)を2本の科学論文を引用してお話します。

まずはアメリカの論文です。健康だがほとんど座って生活をする男女(healthy but sedentary men and women)30歳以下と64歳以上の合計72人を3つのグループに分けました。

  1. 重い負荷のウエイトトレーニング(RT:Resistance training)
  2. 数分ごとに強弱をつけて固定自転車で走るインターバルトレーニング(HIIT: high-intensity aerobic interval training)
  3. 低い負荷の固定自転車走と軽いウエイトを合わせた複合トレーニング(CT: Combined training group)

①②③のいずれか一つを30−45分間、週に数回12週間続けてもらいました。その結果はどうなったと思いますか?

②のHIITの参加者、特に64歳位以上の人たちの筋肉に驚くべき変化が現れました。まずは、多くの遺伝子が発現量を増大させ、タンパク質レベルでの若返りが見られ、細胞内のエネルギー工場、ミトコンドリアの数が増え機能も良くなりました。
①重い負担のウェイトトレーニングをしたRT参加者はタンパク質レベルでのみ若返り、
③のCT参加者は残念ながら若返りの効果は何もなかったのです。つまり、高齢になっても「汗びっしょりになる」HIITのような運動を続けると、年齢よりも若くなることができることがこの実験では証明されたのです。

続いてイギリスからは、運動で、細胞の老化が逆転できるという報告です。私たちの細胞の中には、テロメア(telomeres)という分子があって、年齢とともに短くなることがわかっています。テロメア短縮は主な細胞老化の要因(the shortening of these telomeres is a major mechanism for cell aging)になります。一方、細胞の中にはこのテロメアを守る酵素、テロメアーゼ(telomerase)も存在します。この酵素の活性が上昇するとテロメア短縮を阻止するだけではなく逆にテロメアを長くする(telomerase able to combat the shortening process, and even reverse it by adding length to the telomeres)、つまり細胞が若返ることができるのです。

この研究では、健康だが不活発な人120人(One hundred and twenty-four healthy previously inactive individuals)を無作為に4つのグループに分けました。

  1. 生活を変えないグループ
  2. 持久走(AET: aerobic endurance running)グループ
  3. 数分ごとに強弱をつけて走るインターバルトレーニング(HIIT)グル―プ
  4. マシーンを使ったウエイトトレーニング(RT)グループ

③④のグループは、それぞれ異なるチャレンジ(three different interventions)を 45分間、週に3回を6ヶ月間続けてもらいました。
その結果、②のAETと③のHIITグループのテロメアーゼの活性はコントロールグループに比べて2−3倍になり、テロメアの長さも有意に伸びましたが、
④のRTグループには変化がなかったとのことです。つまり、週に数回走ることで細胞が若返ったのです。

いかがですか?高価な美容液を使うと顔の表面だけは若返るのかもしれませんが、週に数回走ったり自転車に乗れば全身が若返るのです。年明けとともにまた歳をとっちゃう!と思った方は是非今年こそ運動の効果をご自身でお確かめください。

参考文献
Robinson MM, et al. Enhanced Protein Translation Underlies Improved Metabolic and Physical Adaptations to Different Exercise Training Modes in Young and Old Humans. Cell Metab. 2017;25(3):581-592.
Christian M, et al. Differential effects of endurance, interval, and resistance training on telomerase activity and telomere length in a randomized, controlled study. European Heart J. 2019;40(1):34–46.

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有馬 佳代

有馬 佳代

遺伝学・栄養学博士、管理栄養士。徳島大学医学部栄養学科卒、米国アリゾナ大学大学院博士課程終了。 カリフォルニア大学アーバイン校とサンディエゴ校での研究活動を経て、Kayo Dietを設立、栄養指導、料理指導およびレクチャーなどを日米で展開しています。
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