Mar 8th, 2019

第3回「話せる英語ドリル 300」活用法:Step 1 聞き取れない理由を知る


今日は3月8日です。休暇と仕事を兼ねてSXSWという大きなイベントを見にテキサス州Austinに行ってきます。Austinと書くのでつい「オウスティン」または「オースティン」と読みたくなりますが、そう発音しません。思い切って口を大きく開けて喉の奥から「アースティン」に近い音を出してみましょう。英語のスペルのauは「オウ」ではなく、喉を開いた「アー」の音です。audio、autumn、teachの過去形taughtなど、たくさんあります。

さて今回はStep 1の活用方法についてお話しします。本書のStep 1ではまず素直な耳で音声を何度も聞きましょう。そしてそれと同時に日本語の意味も併せて理解するようにしましょう。

Step 1

テキストではこのStep 1はその日のトレーニングで習得してもらいたい10文に慣れてもらうための助走のステップになっています。ここで例文の意味を理解し、音に慣れるということを目的としていますが、もう少し突っ込んだ学習をするのであれば、テキストを見る前に是非ディクテーションに使ってみましょう。

準備するもの:音声、3色のペン、紙またはノート(テキストは見ない)

1. まず、ダウンロードした音声を再生しながら1文ずつディクテーションします。コツはただひとつ、トレーニングの最後までテキストを見ないことです。Step 1では英語に続いて日本語が聞こえて来るので、それが邪魔な場合はStep 2の音声を代わりに使うと良いでしょう。

2. 丁寧に学習するのであれば聞くたびにペンの色を変えて、新しく聞き取れた単語を書き入れます。そうすることで自分が何回聞けば特定の文をどの程度聞き取ることができるのかが可視化されます。上達して来ると一度に聞き取って短期記憶に残しておける量が増えますから、継続してトレーニングに取り入れてくださると効果的です。理想は1回で全て聞き取ることです。

3. このディクテーションは、通しで10文をまとめてやっていただいてもいいですし、1文を3回ずつ音声を戻しながら聞くのでも良いでしょう。

4. 先にこのディクテーションをしておくと、自分の音理解や文法理解、語彙理解のどこに問題があるかが紙の上ではっきりわかりますので、Step 2以降のトレーニングをより意味のあるものにすることができるでしょう。

5. ディクテーションが終わったらテキストと照らし合わせて間違えたところを確認します。この時、自分の間違いがどのようなタイプのものか分類しておくとStep 2での練習をより意識的にやっていただけると思います。

 

聞き取れない理由

音が聞き取れない理由にはいろいろありますが、主に以下になります。

A. 音と音が繋がっていて、単語単位を判別して聞き取ることができなかった。

B. 弱音化している機能語を聞きとることができなかった。

C. 文字で見ると知っている単語だったが自分の思ってた音と違ったので聞き取れなかった。

D. 知らない単語だった。

E. 構文を理解していなかったのであるべきものが聞き取れなかった。

他にもあるかと思いますが、主にA~Eに分類しておくと良いでしょう。トレーニングが進んでいくと、同じようなものが聞き取れないということがわかったりしますので、メタ認知を活用しながら自分の弱点を具体的に克服していけます。

 

本テキストを使われる先生方へ:

クラスやグループ学習でこのテキストを学習する際のオススメの手順です。

1. 個人のディクテーションが終わり、テキストを見て答え合わせをする前に学習者で小グループを作ります。

2. グループ内で「同じように聞き取っている部分」と「上手く聞き取れていないと思う部分」をリストにしてもらいます。
3. 作ったリストをグループごとに発表してもらいましょう。よほどのレベル差が無い限り、どのグループも面白いほど同じようなものが聞けて、同じようなものが聞けません。
4. その状況を共有した上で、特定のものが聞けない理由の分析をクラスやグループでしていくと、とても良い学びの時間になります。

5. 最後は上手く聞けなかった部分を音声の通りの音で真似するトレーニングをすると良いでしょう。

次回はStep 2についての記事になります。お楽しみに!