
杉原 章郎
1969年広島県生まれ。1994年慶應義塾大学総合政策学部卒(SFC1期生)。1996年に同大学大学院・政策メディア研究科修士課程修了時にITベンチャー会社設立。 1997年に楽天㈱の共同創業者として参画し、「楽天市場」の出店営業を統括。 その後、楽天内で複数の新規事業を立ち上げつつ、取締役新規事業開発部長、オークション事業部長、楽天ブックス(株)代表取締役社長、システム開発部門担当役員などを歴任。 2012年より人事・総務部門担当役員ならびに障がい者雇用の特例子会社である楽天ソシオビジネス(株)代表取締役社長を務めた。 2019年6月に㈱ぐるなび代表取締役社長に就任。
英語学習を始めたきっかけは2010年の社内言語の英語化。2011年のサンフランシスコでの語学研修を経て、杉原さんはTOEIC 800点を取得。その後もレッスンを続けながらスピーキング力を磨き、現在はイギリス英語のイントネーションやリズムにも挑戦中。英語学習をルーティンに取り入れ、自身の成長を実感する杉原さんに話を伺いました
TOEIC 400点から800点へ、そしてその先へ — 英語学習の壁を越え続ける杉原章郎氏のストーリー
英語学習を始めたきっかけは2010年の社内言語の英語化。2011年のサンフランシスコでの語学研修を経て、杉原さんはTOEIC 800点を取得。その後もレッスンを続けながらスピーキング力を磨き、現在はイギリス英語のイントネーションやリズムにも挑戦中。英語学習をルーティンに取り入れ、自身の成長を実感する杉原さんに話を伺いました。
浅場:本日はありがとうございます。本当に長い間弊社のレッスンを受けていただいていて心より感謝申し上げます。そもそも杉原さんが英語を始められたきっかけは何だったのでしょうか。
杉原:2010年に社内言語の英語化が始まったのがきっかけですね。2011年の1 月から 3 月にサンフランシスコに語学研修に行きまして、最初は「2 年間くれればMBA を取ってくるから休みを下さい」って言ったのですが、そんな時間的余裕はないということで、「じゃあせめて 1 年」と交渉したのですが、結局3か月だけ許されました。最初は3ヵ月では何もできないだろうと思っていたのですが、意外にもかなり刺激的な経験でした。本当に全く何もできない状態で行きました。それこそTOEICでいうと多分 400 点とか、 500 点は無いぐらいの頃だと思います。
浅場:なるほど。アメリカの語学学校に行かれたということですか?
杉原:そうです。人事がいろいろ考えて学校を選んでくれました。
浅場:そのご経験で一番良かったことは何でしたか?
杉原:そうですね、日本語が全くない暮らしに浸るというか。
浅場: なるほど。イマ―ジョン(どっぷり浸かること)ですね。
杉原:はい。本当に朝から夕方まで英語ができない人たちの集まりの中で英語だけで生活していました。生徒も世界中から来ていて、日本人は自分以外にはいなくて、周りは南米とかアフリカとか東南アジアとかから来ている人たちばかりでした。友達ができてよかったですが。
浅場:今でもその時の皆さんとは仲良くされているのですか?
杉原:そうですね。
浅場:素晴らしい。そうですか。
杉原:とはいえ家に帰ると一人だったので、ずっとテレビをつけっぱなしでした。英語系のチャンネルのテレビをずっとバックグラウンドで流していて、1ヶ月半経った頃にある日突然、聞こえていなかった CM が何を言ってるかがはっきり分かるようになって、そこから「おお!」と。少しできるようになった、 聞こえるようになったと思ったのをすごく覚えています。
浅場:ある程度の量のインプットというか、シャワーを浴びるように耳から入ってきたものが一定量あって、それが溢れ出すタイミングでひとつスイッチが入るというのは学習の様々な段階でありますね。一気に英語が溢れている環境に入られたのが良かったのですね。その後日本に戻られて TOEICで800 点を取られということですか。
杉原:そうです。
浅場:800 点を取られた前と後とでご自身的の体感的には何か違いはあってありましたか?
杉原:はい。テストで 800 点を取るとことに関して、取る前と取る後で違いをものすごく感じたことがひとつありました。TOEICテストのリーディングセクションは結構長くて量が多いんです。それでいつも後半の問題の途中でタイムアップになってしまっていました。全ての問題に取り組む時間がずっと足りていなかったのですが、ある日なぜかスムーズに最後の問題まで全部解けたんです。そうしたら自然とターゲットスコアの800を超えていました。
浅場:インプットや勉強の結果、情報処理のスピードが上がったことで最後まで解けるようになり、それがまた点数にも反映されたということですね。800点を取っても英語できないっておっしゃる方もいますが、800 点を取れる情報処理能力のスピードがまずないとそれ以上のことをできるようにもならないので、やはりそのインプットの成果は大きかったと思います。そしてその後に更にスピーキング力を上げたいということで私たちのレッスンを取ってくださったんでしたね。
杉原:そうなんです。先を目指さなければ800 点取っても喋れるようにならないことの象徴みたいになってしまうので、それは避けたかった。そのためには日本に居ても積極的に英語で話す機会を持たないとだめだと思っていました。もちろん日常の仕事の中で喋る機会はあるんですけれども、レッスンの中で定期的に「聞いて話す」ことを繰り返し、フィードバックをもらいながら自分の能力をアップデートしていかないと実務の中では使い物にならない、というのをとても強く実感していました。
浅場:弊社のレッスンを継続して取っていただき、発話量がとても増え、総合的に大変上達されたと思います。そして最近はレギュラーのレッスンに加えて高島講師のブリティッシュのレッスンも月に1回のペースで取っていただいていますね。ご自身の中で、レッスンを通して成長を感じられる部分はどのようなところでしょうか。
杉原:英語メディアをそのまま観たり聞いたりすることが自然にできるようになりました。字幕も日本語でなく英語を選んで、聞こえてくる英語と字幕を重ねる、ということもごく自然にできるようになっています。最初のほうに仰っていた「処理能力が上がる」ことによって英語が苦ではなくなってきていて、良い循環に入っていると思います。
浅場:動画から聞こえてくる音と英語のサブタイトルを一致させる作業というのは興味深いです。耳から聞こえてくるものと文字(=英語のサブタイトル)を一致させるプロセスというのは実はリアルな英語環境において私たちの頭の中で起こっていることにとても近いですね。聞こえた音を文字化してそこから意味を取る作業はまさに頭の中でサブタイトルを出しているような状態です。そこを頑張るというのは処理能力を上げるトレーニングとしてもとても意味があると思います。 現在私とはイングリッシュセントラルを活用したレッスンをされていますが、文字と音を一致させる力が最近ぐっと伸びられました。杉原さんは知らない単語でも音からスペルを想像する力がとても高く、素晴らしいですね。英語の音のシステムを体得していらしている印象です。
杉原:はい。今の使い方に加えて今後はAIを使って会話の壁打ち練習をすることでフルーエンシー(流暢さ)を上げていくトレーニングなどもどんどんやってみたいです。
浅場:AIを活用したスピーキング、是非やっていきましょう。高島講師は発音のトレーニングの専門家ですが、レッスンではどのような内容をトレーニングされていますか?
杉原:ブリティッシュの発音について大変厳しく細かくご指導いただいています。「お、今うまくいったかも」と思っても大抵ダメ出しされてしまいます(笑)。口の開き方とか丁寧にご指導いただくのですが、それでも先生の出している音と自分の音に違いがあって、指示される通りに口を開き、音を出すトレーニングを継続しています。繰り返していると特定の音の出し方が分かってきて、音の出し方が分かると聞こえ方も全く変わってきます。
今高島先生のレッスンでは著名人のスピーチを聞いてそれを真似することを練習しています。イギリス英語独特のイントネーションや抑揚、言い回しに加えて、リズムというものがあるということが体感として分かってきました。正しいリズムや抑揚をコントロールしながら話せるようになることは相手にとって伝わりやすい発話が身に付くことだと思うので続けて行きたいです。
浅場:杉原さんは少し前からコーラスを練習されていると伺っていて、実は私、それは英語学習にかなり有効だろうと思っています。英語は日本語よりもかなり音楽的な言語と言えると思うので、リズムやトーン、イントネーションといった部分でも英語の発話に繋がるところがありますね。高島講師は音楽の造詣も深いのでレッスンのメニューに歌が入るのも楽しいかもしれませんね。私自身も高島講師のレッスンを受講していた時にイギリス国歌を練習しました。
杉原:それ、いいですね。自分の英語ができない黒歴史の中に、中学校3年生の時のアメリカ人の先生の授業があったんです。その先生はいつも授業にラジカセを持ってきて英語の音楽をかけては僕たちにその歌詞を聞き取らせました。ワムの歌とかで、聞いて書き出してみると「ああ、本当にそういう風に歌ってるんだ!」と。書き出した上で更に聞こえるようになると良く知っている曲でも改めて新鮮で、すごく楽しかった思い出です。
浅場:歌のディクテーションですね!洋楽の歌詞をディクテーションして、レッスンで練習して、自己学習かつ復習でカラオケに行ってリズムよく歌う、という学習ルーティンも楽しそうです。
杉原:それはいいですね!
浅場:英語学習の継続の秘訣はありますか。
杉原:はい。これまで長くレッスンを継続させていただいている理由としては、英語に関してはもう継続しかないというか、やめる理由がないと思っています。英語のレッスンは自分の毎日のルーティンの一部になっています。浅場:ルーティンになる、というのは素晴らしいことだと思います。私たち講師にとっても自己研鑽は継続しかありません。英語に限らず他言語が使えるというのは個人のスキルとして誰にとってもとても価値があることだと信じています。
今後も引き続きQ-Leapチームで杉原さんの更なる上達を応援させてください!今日はありがとうございました。