Jul 27th, 2021
オンライン時代の英語プレゼン‐リモート環境を味方につける!
英語のビジネスプレゼンの研修をさせていただいて7年ほどになりますが、リモートワーク時代になり、特に最近では「オンラインで効果的に英語プレゼンを行う方法」についてのご要望が増えてきました。
英語のプレゼンというだけで少しハードルを感じてしまう方も多いと思いますが、今日は「リモート環境を味方につける!」をテーマに、英語でのプレゼン力アップの秘訣を3つのポイントでお話しします。
① 画面共有する英文資料の精度を上げる
オンラインのプレゼンの場合、参加者の目に最も入るのは画面に映されるPPTなどの「資料」です。外国語で書くとつい見逃してしまうスペルミスや文法エラーですが、徹底的に無くす努力をしましょう。
まずはご自身で不安な箇所をGoogleやGrammarlyのようなソフトでチェックをし、最後は必ず英語力のある人やできれば英語のネイティブスピーカーに見てもらうと安心です。
違う人の目で見てもらうことで意外な発見や修正箇所が見つかることも多いです。特に見出しの書き方、大文字と小文字の区別のルールなど、英語力にある程度自信のある人にも第三者と確認されることをお勧めします。
② 「声」がすべて。確実に届く英語らしいメリハリ
資料以外で、聞き手が頼る情報源は発表者の説明です。その説明は、皆さんの最高レベルの「声」で届けていただくことが重要です。お腹からしっかりした声を出すことを心がけ、マイクの音量も確認しておきましょう。
リモートでは残念ながら、相手がどのような環境で自分のプレゼンを聞いているか十分に把握できません。発表する側はもちろん雑音が入らない環境を選び、発表中は参加者にもミュートにしてもらうようお願いしましょう。
「Could you mute yourself, please?(ミュートにしていただけますか?)」がシンプルで伝わりやすいでしょう。
そして、できるだけ伝わりやすい発音や英語らしいイントネーションで話すことで確実に内容を相手に届けましょう。内容語(名詞、動詞、形容詞、副詞)はしっかり、機能語(前置詞や冠詞、接続詞などの内容語以外)は弱めに発音することを意識することで英語らしいメリハリが生まれます。
特に気を付けたいのは日本語化している単語の発音です。正しいと思っていても実際の英語の音とかけ離れて覚えてしまっている単語は危険です。
(例:shipping (✕シッピング), management(✕マネージメント) ,strategic (✕ストラテジック), strength(✕ストレングス), clothes(✕クロージーズ)→オンライン辞書で正しい音を確認しましょう!)
マイクロソフトのWordやパワーポイントにも音声認識機能があり、ご自身の声を文字化してくれる機能があります。ご自分のスピーチが正しく認識され文字化されるかどうかを是非確認してみてください!
③ 本番と同じ環境でリハーサル
最後に、リハーサルを正しい方法でやれるかが結果を分けると言っても過言ではありません。必ず本番と同じ環境、セッティングを準備して行いましょう。
まずカメラの位置、照明、マイクの音量を確認し、別のデバイスから自分がどのように見えているか、聞こえているかを確認します。
また、ZoomやTeamsなどオンラインミーティングシステムによって使える機能が異なりますので、主要な機能の使い方を確認しておきましょう。
オンラインの良さは、皆さんがカンペ(チートシート)をこっそり見られる点にあります。基本的には事前にしっかり英文スクリプトを覚える気持ちで読み込んで準備していただくのですが、保険としてPPTのノートの箇所にスクリプトを入れておいて「発表者ビュー」で見られるようにしておけば安心です。
全文載せてしまうと棒読みになる危険性があるので、お薦めはキーワード、キーセンテンス、覚えにくい表現のみを表記します。この状態でリハーサルをし、どれだけカメラの方を向いて話せるか、試してみてください。
このプロセスを通じて上手く言えない箇所が明確になり、本番前に練習が足りない箇所を補うこともできます。
より詳しく英語のプレゼンスキルやプレゼンの英語表現などを学びたい方は、愛場の著書もぜひ参考にしてくださいね!
次回は、オンラインプレゼンで使える英語表現をご紹介します!
コロンビア大学大学院にて英語教授法(TESOL)修士号取得。アルクの企業研修英語講師、スピーキングテストの試験官、評価官を経て、2011年よりCalvin Klein ニューヨーク 本社のライセンスビジネス事業部にて勤務。
2014年に帰国、浅場眞紀子とQ-Leapを共同設立。大学やビジネススクール、企業のビジネスパーソン向け英語指導に従事。2020年より中央大学ビジネススクール客員教授。