Oct 1st, 2014
Beyond Native Speakers (6) – Schwaを制するものは英語を制する?
皆さん、英語の音はアルファベット26文字分だけだなんて思っていませんか。。。
英語のやっかいなところはスペルと音が必ずしも一致しないところなんです。そして強勢のある場所も品詞によっては動いてしまったり。。。と全くuser friendlyでない言語です。日本語だったらひらがなやカタカナで書いてあるものはそのまま読めばその通りの音であっていますよね。そして更にはアルファベットとは別に英語の音素を表す記号がたくさんあるんです。つまりそれだけ音の種類が多いということですね。
前回ちょっとお話ししたように日本語の音を表すローマ字表記では英語の音(音素)を正確に示すには全く足りない、ということになります。ここまででもやれやれ、ふ〜〜なのですが、ここでひとつ「英語らしく発音するコツ!」を。。それはSchwa (シュワ〜)と呼ばれる脱力したとっても弱い母音です。英語のリズムは強弱が基本ですが、この弱の部分の多くの音がこのSchwaという音になります。この音を十分に弱音化して…つまり無くすわけではないけれどなんの音だかはっきり分らないくらい弱めて短く発音することができると「英語っぽい!!」という感じになるんです。
で、Schwaはどこで出すのか、といいますと下のチャートのど真ん中、逆さまの e のような/ə/、これがSchwaです。口の真ん中のポジションということは全く頑張らない脱力した「う〜」とも「え〜」とも「あ〜」ともつかない音なんです。ちょっと口からよだれが出そうなほど脱力して弱く声を出してみて下さい。そう、それです。きゃ〜、こんなものすら音素だなんて!!ですよね。
例えば簡単な音でやってみると
‘and’ = /ən/
は普通「アンド」ではなく限りなく「ウン」に近いような音になります。
‘cats and dogs’ = 無理やりローマ字で書いてみると「キャッツンダアグズ」
下のチャートを見て頂くと分りますが、英語の他の母音は口の形をしっかり整えて頑張って出すものが比較的多いんです。もしずっとこれで喋っていたらとてもとても疲れてしまいますよね。そこで休憩とって次に頑張るためにSchwaがあります。ちなみに日本語の母音、アイウエオはこのチャートでいうと英語の外側の母音よりもかなり内側にあります。つまりあまり頑張らなくても出ます。あまり口を動かさなくてもアイウエオ、と言えますよね。やってみてください。
英語の母音の場所: 日本語に比べると母音の数が多いですね!
日本語の母音の場所: 上のチャートの似た音に比べるとやや内側に入っています。
Schwaの音はよく「日本語には無い」などと言われますが、いえいえそれがあるんです。例えば「〜です。」というような文章の終わりで皆さん「DE・SU」のようにはっきりとは言わないことが多いのではないでしょうか?なんとなく尻すぼみのように、消えて行く感じ、それがSchwaなんです。私たちはこれを日本語を話す時に無意識に出しているのですが、英語の発音練習の時にはこれを「意識的に」「めっちゃ弱く」発音練習する必要があります。これが発話の中にしっかり入って行くことで英語の強弱のリズムが尺取り虫のように続いていくことができるわけですね。
そんなわけでまたまた前回のGeoff先生とのレッスンではしごかれてしまいました。
お題は
Perfectly | ˈpɜːfɪkli |
これを3分割して練習するのですが、
Per
fe
ctly
とひとつずつ丁寧にそれぞれのパーツが完璧になるまでやってから3つを合わせます。最初、Per以外はダメ出しをされてしまいました。
feは /fɪ/の真ん中寄りの/ɪ/ もしくは Schwa /ə/を使います。Geoff先生から「Makiko, まだまだ/e/が聞こえてる!!/e/が聞こえなくなるまで弱音化して!」と言われました。
ひえ〜〜〜すんご〜〜〜〜〜く弱音化しているつもりなのにまだまだ足りないみたいです。あああ。。。。
ctly はGeoff先生のお薦めは/t/を発音しないやり方です。American, Britishといろいろバリエーションを聞かせて下さった上で「でも/t/無くていいよ」
ということで/kli/ だけをひたすら練習練習練習。。。。。
気をつけて気をつけて頑張って頑張って頑張ってやっと“That’s perfect. Native sound!!” と合格をもらうことができました。
こんなに丁寧に気をつけてひとつの単語を練習した事、人生で初めてかもしれません。単語単位でできたからと言ってすぐにfast speechの中で正確にはできないかもしれませんが、まずはこうやって時間をかけて丁寧にやって意識を挙げて行くことはとても大事だと思いました。
Geoffから私に出された今週の宿題は
theoretically
practically
particularly
です。今週も口頭練習頑張ります。
皆さんもSchwaを出すときは意識して死ぬほど弱めて発音しましょう!
下は私が授業で使っているハンドアウトの一部です。弱音化するSchwaの例がたくさん出ていますので意識して口に出してみて下さい。
慶應義塾大学卒
コロンビア大学ティーチャーズカレッジ英語教授法(TESOL) 修士号取得
米穀物メジャーCargill, 石油メジャーBPの外資2社に計10年トレーダーとして勤務。その間ChicagoとNYに3年駐在。
現在企業のエクゼクティブ担当として数多くのプライベートレッスンを手がけている。
その他大学、専門学校でTOEIC SW クラス、TOEIC公開講座などを担当中。
2014年 ビジネス英語研修会社 Q-Leap 設立