Feb 28th, 2023

ビジネスに役立つ経済金融英語 第18回:「グリーンウォッシュ(Greenwash)」事始め


1月末の日経産業新聞(日経オンラインで閲覧可)に「ESG投資に逆風 高まる『グリーンウォッシュ』批判」という興味深い記事を見つけた。タイトルは「多くのESG投資に対し『グリーンウォッシュ』ではないかとの批判が高まっている」という内容を示唆するが、記事の趣は異なる。前半は米国の動向で、高い運用成績を追求すべき年金基金や運用機関がESG(環境・社会・ガバナンス)という「政治的意図」を掲げるのは受益者(投資家)利益を犠牲にしているではないか、というESG投資そのものに対する批判の動きを伝えている。一方、後半の欧州と日本に関する話題はそうではない。日欧ともにESG投資は必要不可欠という前提の下で「名ばかりESG投資」を排除するための規制当局の取り組みをレポートしているのだ。

この似て非なる二つの話題にあたかも一つのテーマあるかのようなタイトルをつけるのはいかがなものだろう。例えばタイトルを「ESG投資をめぐる欧米二つの潮流:反ESGと反グリーンウォッシュ」(パンチ力のなさはご勘弁を)としてそれぞれの問題について報じれば、記事の内容をほとんど変更しなくても読者には論点がもっと明確に伝わったと思う。とはいえ報じられている情報そのものは有益なので、ご興味のある方はぜひ批判的にお読みいただきたい(日経オンライン(有料)で読めます。下のリンク先参照))。

以上は前置きである。今月取り上げるのは、この記事の後半部分に関する次の一節だ(本稿における翻訳、太線、下線、注などの挿入はすべて鈴木。なお本稿で引用されている日本経済新聞とウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事はすべて有料記事です)。

 

記事1:グリーンウォッシュをめぐる日米欧の動き—『日経産業新聞』の記事から

欧州銀行監督機構(EBA)や欧州証券市場監督機構(ESMA)、欧州保険年金監督局(EIOPA)は22年11月から23年1月にかけて、管轄下にある金融機関や個人投資家、消費者団体など様々なステークホルダーに、グリーンウォッシュ(見せかけの環境対応)と考えられる事例について提供を求める呼びかけを行った。

 

グリーンウォッシュへの批判は「表明していることと実践していることが違う」という狭義の批判と、「表明・実践しているとしても、その取り組み自体が環境保全の観点から的外れである」という広義の批判があるとされる。欧州の3監督当局は様々な意見を聴取・集約したうえで、今後発行予定のリポートにまとめる方針だ。集まった事例を反映するとともに、監督指針などを今後強化していくとみられている。

(ESG投資に逆風 高まる「グリーンウォッシュ」批判 Earth新潮流 日本総合研究所常務理事 足達英一郎氏)日経産業新聞2023年1月27日付

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC24CH90U3A120C2000000/

 

「グリーンウォッシュ」という言葉を目にしたり耳にしたりした方は多いかもしれない。記事にある通り「見せかけの環境対策」のことだ。実際、ESG投資そのものの是非論を横に置けば、日米欧を問わず企業に対して製品やサービスから温室効果ガスを削減せよとの圧力が強まっているのは確かで、それとともに「グリーンウォッシュ」的な活動への市場や社会の目も厳しくなっている。例えば次の記事。

 

記事2:企業は気にかけている—バフェット氏の手紙から

【ニューヨーク=宮本岳則】著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイは26日、「株主への手紙」と年次報告書を公開した。バフェット氏は手紙のなかで、自社の再生可能エネルギー事業などを紹介し、「いま流行っている『グリーンウォッシング(見せかけだけの環境対策)』のような話では決してない」と強調した。一部株主からの批判に反論した形だ。

(バフェット氏「見せかけではない」手紙で気候対策強調)2022年2月26日

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN264LN0W2A220C2000000/

 

今月は「グリーンウォッシュ」の意味、というよりも、この言葉の「事始め」と周辺情報を掘り下げる。まずは辞書の定義から。

 

記事3:グリーンウォッシュとは?—『メリアム・ウェブスター辞典(Merriam-Webster Dictionary)』(『ウェブスター辞典』)の定義(抜粋です)から

greenwash

verb(動詞)

1. to make (something, such as a product, policy, or practice) appear to be more environmentally friendly or less environmentally damaging than it really is((製品、政策、習慣などについて)環境により優しい、あるいは環境破壊がより少ないと見せたりすること。

2.to mislead (someone) by means of greenwashing (グリーンウォッシングによって(誰かを)誤解させること)

 

noun (名詞)

something (such as a claim or action) that is intended to make a product, policy, activity, etc. appear to be more environmentally friendly or less environmentally damaging than it really is(ある製品、政策、活動などが実際よりも環境に優しい、あるいは環境破壊が少ないように見せかけることを意図した主張または行動)

(Merriam-Webster.com Dictionary, s.v. “greenwash,” accessed February 17, 2023, https://www.merriam-webster.com/dictionary/greenwash.)

 

興味深いのはウェブスター辞典のこの項で見かけた次の記述だ。

 

記事4:「グリーンウォッシング」という言葉を作った人—『ウェブスター辞典』の注記から

NOTE: Wikipedia alleges that the words greenwash and greenwashing were introduced in an essay by an American environmentalist named Jay Westerveld, but neither Wikipedia nor other online references state where the essay was published (assuming that it was published).(注:ウィキペディアは、グリーンウォッシュやグリーンウォッシングという言葉は、ジェイ・ウェスターベルドというアメリカの環境保護主義者のエッセイで紹介されたとのべているが、ウィキペディアにも他のオンライン文献にも、そのエッセイがどこで(仮に発表されたとしても)発表されたのか記載がない。)

(Merriam-Webster.com Dictionary, s.v. “greenwash,” accessed February 17, 2023, https://www.merriam-webster.com/dictionary/greenwash.)

 

ウェブスター「辞典」にウィキペディアへの言及がある、というのは(少なくとも)私は初めて見た。ではウィキペディアにはなんと書いてあるのか。

 

記事5:出発点はホテルのタオル(エセ環境運動)—ウィキペディアでの言及

The term greenwashing was coined by New York environmentalist Jay Westerveld in a 1986 essay about the hotel industry’s practice of placing notices in bedrooms promoting reuse of towels to “save the environment”. He noted that often little or no effort toward reducing energy waste was made by these institutions, although towel reuse saved them laundry costs. He concluded that often the real objective was increased profit and labeled this and other profitable-but-ineffective “environmentally-conscientious” acts as greenwashing.(グリーンウォッシングという言葉は、ニューヨークの環境保護主義者ジェイ・ウェスターベルドが1986年に発表したエッセイ中に紹介した造語で、当時のホテル業界が「環境を守る」ためにタオルの再利用を促す告知を寝室に貼り付けている事実をそう表現したのである。ウェスターベルド氏は、(宿泊客による)タオルの再利用によって(ホテルは)洗濯費用を削減できるにもかかわらず、ホテル側はエネルギーの浪費を減らす努力をほとんど、あるいはまったくしていないことが多いと指摘した。そして、その本当の目的は利益の増加であると結論付けた上で、利益を生んでいるが「環境に配慮するという点では」効果のないこうした行為を「グリーンウォッシング」と名付けた)。

 

(”Greenwashing,” Wikipedia, The Fee Encyclopedia)(「グリーンウォッシング」 ウィキペディア フリー百科事典)(閲覧日2023年2月27日)

https://en.wikipedia.org/wiki/Greenwashing

 

欧米のホテルに泊まってウェスターベルド氏と同じ経験をした方は多いはずで、外ならぬ私もその一人。ただ私の場合は、ホテルのこの真摯な(?)姿勢に素直に感動して同じバスタオルを何日も使ったことをよく覚えている。そしてそのうち忘れてしまった(恥)。

 

 

ウェブスター辞典の記述通り、上のページにはこのエッセイの出典は記述されていない。ところが、greenwashingをあれこれ検索しているうちに、ウェスターベルド氏本人へのインタビュー記事が見つかった。

 

記事6:「緑の党(Green Party)からの連想—ウェスターベルド氏のインタビューから

“The word ‘greenwashing’ just came to me,” he said. “It seemed really logical, pretty simple, kind of like whitewashing.” (「『グリーンウォッシング』という言葉がちょうど思い浮かんだんです。それは本当に論理的で、とてもシンプルで、ホワイトウォッシングと同類の言葉に思えました」)。

 

Westerveld told me that the word “green” originally came into popularity through its regular use by the Green Party in Germany, which used it in context of its work squatting in and preserving old buildings (instead of building new ones) and stopping forest destruction.(「グリーン(環境に配慮した)」は、もともとドイツの緑の党(Green Party)の常用語として広まった言葉で、古い建物に(不法に)居座って(新しい建物を建てる代わりに)それを保存したり、森林破壊を止めたりする活動の中で使われたということだ)

 

Although he says he’s a big believer in energy efficiency, Westerveld decries the hijacking of “green” by corporations to apply to even minor advances in efficiency. “The meaning has been usurped, and it’s not really about making the planet greener anymore,” he said. Westerveld says that greenwashing has only gotten worse since he coined the phrase.(ウェスターベルド氏はエネルギー効率を重視しているものの、「グリーン」という言葉が企業に乗っ取られてしまい、効率性のほんのわずかな向上にさえ使われるようになったと批判する。「そもそもの意味は奪われ、地球をより環境に優しいものにするという本質から離れてしまったのです。グリーンウォッシングは、私がこの言葉を作って以来、ますます悪質化の一途をたどっています」)

 

(” A History of Greenwashing: How Dirty Towels Impacted the Green Movement” by Jim Motavvalli. Aol. Feb 12th, 2011)(「グリーンウォッシングの歴史:汚れたタオルがグリーン・ムーブメントに与えた影響」ジム・モタヴァリ、 Aol.  2011年2月12日)

https://web.archive.org/web/20160905110642/http:/www.aol.com/article/2011/02/12/the-history-of-greenwashing-how-dirty-towels-impacted-the-green/19628686/

 

上のインタビュー記事はAol.というインターネット接続会社のウェブページに掲載されたものだが、下の『ウォール・ストリート・ジャーナル』(以下WSJ)のWord on the street(「ウォール街で見かけた言葉」)でも言及されているので、過去記事のアーカイブと断定してよいだろう。次の記事7と9はそのWSJの記事からの引用(記事7の冒頭は記事6とかぶっている)。

 

記事7: グリーンウォッシュ事始め—WSJ紙の「ウォール街で見かけた言葉」から

“The word ‘greenwashing’ just came to me,” Mr. Westerveld recalled in a 2011 interview. … The term works as a colorful riff on “whitewashing,” which has long referred to covering up faults or giving the false appearance of respectability.(「『グリーンウォッシング』という言葉がちょうど思い浮かんだんです」と、ウェスターベルド氏は2011年のインタビュー(注:記事6のこと)で振り返った。(中略)この言葉は、昔から欠点を隠したり、立派に見えるように見せかけたりすることを指す「ホワイトウォッシング」を色鮮やかに言い換えたものである)

 

Historically, “whitewash” was a mixture of water and powdered chalk or slaked lime, as calcium hydroxide was traditionally known. It was applied to walls and other surfaces to give them a fresh appearance without the need for scrubbing …( 歴史的に「ホワイトウォッシュ」は、水と粉末チョークまたは消石灰の混合物で、昔から水酸化カルシウムとして知られている。壁などの表面に塗ると、こすらなくても新鮮な外観に仕上げた(後略))

 

(“‘Greenwashing’: Painting a Facade of Ecological Concer” by Ben Zimmer. The Wall Street Journal. Nov 10, 2022)(「『グリーンウォッシング』:環境に配慮していますという体裁を取り繕う絵画」Ben Zimmer『ウォール・ストリート・ジャーナル』2022年11月10日)

https://www.wsj.com/articles/greenwashing-painting-a-facade-of-ecological-concern-11668113593?page=1

 

ホワイトウォッシュとは水酸化カルシウム(消石灰)のこと。デジタル大辞泉によると、「酸性土壌の中和剤、さらし粉の原料、モルタルの材料などにする」とのことだが、かつては運動場のライン引きに使われていた白い粉(毒性が強いことが判明し今は別の塗料が推奨されているらしい)と言えばわかりやすいかも。whitewashがこの元々の意味で使われた有名な文章が『トム・ソーヤ―の冒険』第2章。トム・ソーヤがいたずらの罰としておばさんから壁塗りをするように命じられた時のエピソードだ(実はこのネタ元は上の記事6の続きであることを告白しておく)。

 

記事8:『トム・ソーヤの冒険』で使われた”whitewash”

Tom appeared on the sidewalk with a bucket of whitewash and a long-handled brush. He surveyed the fence, and all gladness left him and a deep melancholy settled down upon his spirit. Thirty yards of board fence nine feet high. Life to him seemed hollow, and existence but a burden. Sighing, he dipped his brush and passed it along the topmost plank; repeated the operation; did it again; compared the insignificant whitewashed streak with the far-reaching continent of unwhitewashed fence, and sat down on a tree-box discouraged….

 

白漆喰(しろしっくい)の入ったバケツと、柄の長い刷毛をもってトムが歩道に現われた。塀を見渡すと、歓喜が顔から消えて、深い憂鬱が心に降り立った。幅三十メートル、高さ三メートルの板壁。人生は空しく思え、生きることは重荷としか感じられなかった。溜息をつきながら、刷毛の先をバケツに浸し、一番上の板を横になぞっていく。この動作を繰り返す。もう一度。漆喰が塗られたちっぽけな縞と、まだ塗っていない部分がはるか遠くまで広がる大陸とを交互に眺め、意気消沈してツリーボックス(木の幹を護るための木枠)に腰を下ろした。(後略)

 

“Say, Jim, I’ll fetch the water if you’ll whitewash some.”

(「よおジム、この塀少し塗ってくれたら僕が水汲んできてやるぜ」)

 

(“Tom Sawyer Whitewashing the Fence”, From Mark Twain, Tom Sawyer, Chapter Two, 1876)(マーク・トウェイン著『トム・ソーヤの冒険』、柴田元幸訳(新潮文庫)pp25-26)

https://www.pbs.org/kenburns/mark-twain/tom-sawyer

 

この後トム・ソーヤはいかにも楽しそうに壁塗りをしてみせることで、友だちから「お礼」として次々といろいろな物(凧やビー玉、糸巻パチンコ、ブリキの兵隊など)を受け取り、その見返りとしてまんまとこの仕事を「やらせてあげる」(押し付ける)ことに成功する。WSJによると、この語はその後次第に「うわべを飾る」「ごまかす」「隠す」という意味で使われる動詞に転用され、さまざまな「派生語」が生まれた模様である。

 

記事9: ホワイトウォッシュの派生語たち— WSJ紙の「ウォール街で見かけた言葉」②

Further variations on the “whitewashing” theme retained the idea of deceptive image-making while swapping out “white” for another color or related term. “Pinkwashing,” for instance, was originally used to criticize companies for cynically co-opting breast cancer awareness campaigns and their pink ribbons. Eventually “pinkwashing” also came to be used to refer to groups insincerely displaying support for LGBTQ rights—also sometimes called “rainbow washing.”( 「ホワイトウォッシング」に関するさらなるバリエーションは、イメージを欺くという考えを保持したまま「白」を他の色や関連する用語に置き換えた。例えば、「ピンクウォッシング」はもともと、乳がん啓発キャンペーンやピンクのリボンを皮肉の意味で利用している企業を批判するために使われ始めた言葉だが、やがてLGBTQの権利支持を偽って表明する団体を指すようになり、「レインボーウォッシング」と呼ばれることもある)。

 

Other “whitewashing” spinoffs used by activists include “purplewashing” for feminist issues and “redwashing” for leftist issues. In Canada, “maple-washing” has been used to refer to sanitizing the country’s history of racist treatment of indigenous groups. And “sportswashing” is reserved for when sporting events are used to rehabilitate a government’s reputation.(「ホワイトウォッシング」関連の他の派生語としては、フェミニスト問題に対する「パープルウォッシング」、左翼問題に対する「レッドウォッシング」なども活動家によって使用されている。カナダでは、先住民族に対する人種差別的な扱いをしてきた国の歴史を消毒することを指して「メープルウォッシング」という言葉が使われている。また、「スポーツウォッシング」は、スポーツイベントが政府の評判を回復させるために使われている。)

 

(”‘Greenwashing’: Painting a Facade of Ecological Concern” by Ben Zimmer. The Wall Street Journal. Nov 10, 2022)(「『グリーンウォッシング』:環境に配慮していますという体裁を取り繕う絵画」Ben Zimmer『ウォール・ストリート・ジャーナル』2022年11月10日)

https://www.wsj.com/articles/greenwashing-painting-a-facade-of-ecological-concern-11668113593?page=1

 

 

というわけでこの記事は再びグリーンウォッシングに戻り、グリーンウォッシング自身にも最近生まれてきた派生語を紹介して結びとなる。

 

記事10: グリーンウォッシングの派生語たち— WSJ紙の「ウォール街で見かけた言葉」③

In environmental circles, “greenwashing” has proved popular enough that it has inspired other terms for shady practices such as “greenscamming. And at COP27, many companies are taking a step back from trumpeting ambitious-sounding claims of helping the environment by setting emissions targets. The sudden lack of publicity around corporate climate-action efforts has been dubbed “green-hushing.” With so many potential pitfalls in promoting a truly eco-friendly agenda, it’s not easy going green.(環境保護の世界では、「グリーンウォッシング」がかなりの人気を博したことが判明したため、「グリーンスキャミング」などという怪しげな行為を表す言葉も生まれた。COP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)では、多くの企業が「排出量目標を掲げて環境に貢献する」という野心的な謳い文句から一歩引いている。このような企業の気候変動への取り組みが突然宣伝されなくなったことは、「グリーンハッシング」と呼ばれている。環境に配慮した取り組みを進めるにはこれほど多くの落とし穴があり得るのだ。グリーン化を進めることは容易ではない)

 

(”‘Greenwashing’: Painting a Facade of Ecological Concern” by Ben Zimmer. The Wall Street Journal. Nov 10, 2022)(「『グリーンウォッシング』:環境に配慮していますという体裁を取り繕う絵画」Ben Zimmer『ウォール・ストリート・ジャーナル』2022年11月10日)

https://www.wsj.com/articles/greenwashing-painting-a-facade-of-ecological-concern-11668113593?page=1

 

最後に、本稿ではウェブスター辞典に記載してあったウィキペディアの記事から引用したが、では我々はウィキペディアに対してはどう対処するのがよいか。

 

記事11:Wikipedia(ウィキペディア)にはどう対処する?—『基礎からわかる論文の書き方』から

いわゆるWikipediaについては、よい項目もあれば、それほどでもない項目もあり、いちがいに言えません。とはいえWikipediaの執筆者は匿名が原則なので、間違いがあっても責任の所在が不明確になりやすく、追検証の結果を示しても修正されるとは限らないかもしれません。そうである以上、信頼性が保証されないので、研究での利用は控えめにすべきでしょう。少なくともWikipediaを典拠に使うことは不適切とされています

(小熊英二著『基礎からわかる論文の書き方』(講談社現代新書)p151)

 

というわけでくれぐれもご注意を。

ではまた来月!

 

 

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